こんにちは!Youtubeでデコトラの車検動画を投稿している伊號(@igou701)です!
この記事では、マニ割りやTYマフラーといったトラック用の改造マフラーに関する法律(保安基準)と、マフラーを改造したまま車検に合格するための対策についてご紹介します。
デコトラではない普通車でも、マフラーを改造していると車検に通るのか、ひょっとしたらノーマルのマフラーに戻さないといけないのでは?って悩みますよね。
私は実際に知人の依頼でマニ割りをしたエルフのデコトラを陸運局に持ち込んで構造変更検査(公認車検)を受験し、合格させてきた事があります。
今回はその時に調べた情報を元に、デコトラのマフラーについての解説をして行こうと思います。
目次
①そもそもマフラーとは何の為に付いているのか?
②マフラーに関する保安基準はたったのこれだけ!?
③自分でできるマフラー合否判定の方法
④この記事のまとめ
①そもそもマフラーとは何の為に付いているのか?
自動車におけるマフラーとは、日本語では排気管や消音器とも言います。
読んで字のごとく「排気をする管」と「音を消す器」、つまりエンジンが発する排気ガスの騒音を小さくする為の装置のことで、エンジンで動く自動車にはマフラーの装着が義務付けられています。
エンジンで燃料が爆発燃焼した際に出る排気ガスは高温高圧で、そのまま待機中に放出してしまうと耳を劈くような爆発音となります。
丁度、第二次世界大戦時のレシプロ戦闘機の排気音をイメージしてもらえれば解りやすいのではないでしょうか。
マフラーの内部構造についてはまた別の記事で触れようと思います。
②マフラーに関する保安基準はたったのこれだけ!?
保安基準の第30条「騒音防止装置」にはこう書かれています。
1,消音器の備付等
①内燃機関を原動機とする自動車には、騒音の発生を有効に抑止するものとして構造、騒音防止性能等の基準に適合する消音器を備えなければならない。
②「定常走行騒音の測定方法」に定める方法により測定した定常走行騒音をdBで表した値が85dBを超える騒音を発しない構造であること。
③次表の自動車は、「近接排気騒音の測定方法」に定める方法により測定した近接排気騒音をdBで表した値がそれぞれ次表の騒音の大きさの欄に掲げる値を超える騒音を発しない構造であること。
ユーザー車検や構造変更などを受ける際、陸運局や軽自動車検査協会で測定されるのは近接騒音の値なので、現行車であればまず以下の近接排気騒音値早見表の規制値に適合しているかを確認する必要があります。
ちなみに150kWは馬力に換算すると約200馬力なので、例えば2トンクラスのトラックであれば200馬力以下なので98dBとなりますし、軽トラックであれば97dBが規制値という事になります。
また、現行車以外であれば車の年式によって騒音規制が異なるので、次の表の騒音規制値が適用されます。
例えば、平成12年までの2トンクラスのトラックであれば、105dBが近接排気騒音の上限という事になります。
105dBがどれくらいの音量かというと、大声コンテストの優勝者が100dB強くらいなので、結構な大きさです。
つまり、間近でマフラーの音を聞いていて「うるさい!!!」と思えるような車であっても大抵は車検に通るということですね。
実際に私がマニ割りしたエルフを陸運局の検査ラインで騒音測定した際も、「バタタタタ・・・」というもの凄い爆音で、検査員さんも思わず「うるさっ!」と言う程でしたが、きちんと検査には合格しました(笑)
③自分でできるマフラー合否判定の方法
では、予め自分の車が合格基準を満たしているかどうかをセルフチェックする方法ですが、私は上の写真にも写っているこちら、シンワ製の簡易騒音計を愛用しています。
もっと安い騒音計やスマホの騒音測定アプリなども有るのですが、測定機器メーカーのシンワが販売している事と、保安基準に明記されている騒音の測定方法に準拠した割と正確な測定ができる為この製品を使っています。
3,騒音の測定方法
(1)近接排気騒音(検査規程)
1)試験自動車の状態試験自動車は次に掲げる状態とする。
①点検・整備要領等により整備されていること。
②適度な速度で走行することにより十分暖気されていること。
③自動車は停止状態、変速機の変速位置は中立、クラッチは接続状態とする。2)計測器の取扱い
①聴感補正回路は、A特性とする。
②指示機構の動特性は、FASTとする。
③計測は2回行う。(1dB未満は切り捨て)
④2回の測定値の差が2dBを超えている場合は無効。
⑤2回の測定値の平均を当該車両の騒音値とする。
⑥暗騒音との差が3dB未満の場合は無効。(中略)
3)測定場所
概ね平坦で、車両の外周及びマイクロホンから2m程度の範囲内に壁、ガードレール等の顕著な音響反射物が無い場所とする。4)測定方法
①原動機を最高出力時回転数の75%±3%の回転数に数秒間保持した後、急速に減速した場合の最大騒音値を測定する。
②マイクロホンは、開口部中心から後方斜め45度の方向に0.5m離した位置に設置する。
保安基準には上記のように事細かく測定方法が書かれているのですが、安価な騒音計やスマホアプリだと聴感補正や指示機構の機能が付いていないのと、自動で最大騒音値を記録する機能が付いていなかったりで、正直使いにくいです。
④まとめ
①マフラーとは、エンジンが発する排気ガスの騒音を小さくする為の装置の事で、装着が義務付けられている。
②マフラーは、近接排気騒音の規制値に適合していれば改造マフラーやマニ割りでも車検には合格する。
③マフラーの騒音値のセルフチェックは、簡易騒音計を使って自分で可能!
いかがでしたでしょうか?
よく「マフラーをマニ割りしていると車検には絶対通らない!」と断言している人を多く見かけますが、実はそんな事はありません。
…なぜこんな事をわざわざ調べて記事にしたかと言うと、本文中に出てきた知人のエルフのデコトラ。
この車の車検を依頼された際に下回りを点検していて解った事なのですが、フランジなどが一切なく分解してノーマルに戻すことを想定していないマフラーがそこに付いていたんです。
…で、このまま車検に通すことはできないものか?と調べていくうちに「これ、ひょっとしたらこのまま通るぞ!?」となった訳です(笑)
排気音クリアーしても
排ガスの問題は…?
通りすがりの運転手さん、コメントありがとうございます。
勿論車検ですので排ガス濃度(ディーゼル車は黒煙汚染度)の測定もあります。
マニ割りをしたからといって排ガス濃度が変わる訳ではないので、検査基準は年式毎に異なりますが普通に検査は通ります。
はじめまして質問したいのですが、音量を下げるのにどのような事をしているのですか?自分もマニ割しているのですが音量が下がらないです!ちなみに排気量は3.5リッターです宜しくお願いします。
海さん、コメントありがとうございます。
僕が検査に通したことのあるマニ割りのエルフは4.3リッターでしたが、特に音量を下げるような対策はせずそのまま通しました。
万が一を考えてインナーサイレンサーも用意していたのですが、結局使いませんでした。
インナーサイレンサーで人間の耳に聞こえる音は小さくなっても、騒音計で測ると数値上の音量は大きくなってしまう傾向が有るみたいで、何も対策しないのが一番という判断をしました。
そもそもうるさいから、こういう改造やめてもらいたい。人が嫌がることはするなって教わらなかったの?
自分の子供がこういう音で泣いて起きるトコとか想像した事ないの?
自慢げにこんな事書く精神状態を疑うわ。
時代遅れの改造本当迷惑。
普通の市民様、コメントありがとうございます。
日本は法治国家です。
ルールに準拠している以上、僕に文句を言ってもどうにもしてあげられません。
そういった苦情はどうぞお上に申してくださいませ。
それと感情をぶつけるのではなく、もう少し論理的にお話ししましょうね。
大人気ないですよ😊