こんにちは!Youtubeでデコトラの車検動画を投稿している伊號(@igou701)です!
この記事では、ヤンキーホーンに関する法律(保安基準)と、ヤンキーホーンを取り付けしたまま車検に合格するための対策についてご紹介します。
趣味や仕事でデコトラに乗っている方ならヤンキーホーンが車検に通るのか、ひょっとしたら毎回ノーマルのホーンに戻さないといけないのでは?って悩みますよね。
僕は実際に自分の角目エルフのデコトラを陸運局に持ち込んでユーザー車検を受験し、ヤンキーホーンを付けたまま合格させてきた事があります。
今回はその時に調べた情報を元に、ヤンキーホーンについての解説をして行こうと思います。
目次
①そもそもヤンキーホーンとは違法なのか?
②警音器に関する保安基準はたったのこれだけ!
③自分でできるホーンの音量測定の方法
④この記事のまとめ
①そもそもヤンキーホーンとは違法なのか?
ヤンキー(アメリカ人)のホーン(警音器)って事ですね!
(※実際アメリカのAmazonで「Yankee Horn」と検索してみましたが、野球のヤンキースグッズがヒットするだけで、エアホーンはヒットしませんでした。)
元々米軍で使用されていた物というルーツがある為、映画トラック野郎世代からのドライバーであればハドレーやデルコレミー、スパルトンといったメーカー製のホーンに拘りを持たれている方も多いようです。
ヤンキーホーンにまつわる話で、「車検に通らない」とか「車検に出すと取り外されて帰ってくる」「車検の度にノーマルの純正ホーンに戻す」という話をよく耳にしますよね?
これって、どこのメーカーの製品が音がいいだとか、振動版をレントゲンフィルムや弁当の蓋に交換すると音が良くなるといったマニアックな話と同じくらいよく聞く内容だとおもうのですが、
…結論から言うとヤンキーホーンは問題なく車検に通ります。
僕も実際に保安基準を調べたうえでユーザー車検に臨みましたが、ヤンキーホーンを取り付けたままでもきちんと車検には合格できました!
②警音器に関する保安基準はたったのこれだけ!
保安基準の第43条「警音器」にはこう書かれています。
①自動車は警音器を備えなければならない。ただし、被牽引自動車は除く。②自動車(緊急車両を除く)には、車外に音を発する装置であって警音器と紛らわしいものを備えてはならない。(※以下省略)③警音器の音の大きさは、自動車の前方7mの位置において112dB以下、87dB以上であること。(※H15.12.31以前製作車は前方2mの位置において115dB以下、90dB以上。または、前方7mの位置において112dB以下93dB以上。)④警音器はサイレンまたは鐘でないこと。⑤音は連続するものであり、かつ、音の大きさ及び音色が一定であること。
※適合しない例
①音が自動的に断続するもの。
②運転席で音の大きさ、音色を容易に変化させることができるもの。
③音の大きさ、音色が自動的に変化するもの。
つまり、自動車にはホーンを必ず取り付けることと、音は既定の音量の範囲内で一定の音を出すホーンならOKということになります。
僕のサンバーやエルフに付いているヤンキーホーンはもちろん、地元のカスタムカー仲間の車についているヤンキーホーンについても音量測定会を開いて実際に測ってみたのですが、どのヤンキーホーンも保安基準の基準内に収まっていました。
このような明確な基準が存在するのにも関わらず、ヤンキーホーンが違法改造と言われるのはなぜなのでしょうか?
角目エルフをユーザー車検に通した動画で頂いた質問に対する僕の回答でも触れているのですが、市販の電子ホーンは「車検対応」をうたっている製品ばかりなのに対し、ヤンキーホーンなどの社外エアホーンに車検対応をうたった商品が皆無なのは以下の理由によるものと推測されます。(※僕が回答したものから要点のみ抜粋しています)
①市販のホーンのうち電子ホーンはメーカー既定の音量までしか出せない作りなので車検対応を謳って販売する事ができる。
②エアホーンは取り付ける車両個体によってメーカー推奨以上の空気圧での運用も出来てしまうため、車検対応を謳っての販売や整備が出来ない。
③実際、エアホーンメーカーは車両側のエアタンクからの分岐は禁止している上、自社商品のエアタンク及びコンプレッサー(最大でも9キロ程度まで)での運用を推奨していますよね?
③自分でできるホーンの音量測定の方法
自分の車のヤンキーホーンが合格基準を満たしているかどうかは、騒音計を使用して事前にセルフチェックするのがオススメです。
僕はマフラーの近接騒音の測定にも使用しているシンワ製の簡易騒音計を愛用しています。
もっと安い騒音計やスマホの騒音測定アプリなども有るのですが、測定機器メーカーのシンワが販売している事と、保安基準に明記されている測定方法に準拠した正確な測定ができる為この製品を使っています。
テスターによる音量の測定方法
(1)音の大きさが基準値の範囲内にないおそれがあるときには、騒音計を用いて次のように計測するものとする。
①マイクロホンの高さは車両中心線上の車の先端から7mの位置の地上0.5mから1.5mの高さで、音の大きさが最大となる高さ。
(※H15.12.31以前製作車は、車の先端から2mの位置を地上1mの高さで計測できる。)
②聴感補正回路はA特性。
(※H15.12.31以前製作車は、C特性で計測できる。)
③原動機は停止した状態。
④計測場所は、おおむね平坦で周囲からの反射音による影響を受けない場所。(2)計測値の取扱い
①計測は2回行う。(1dB未満は切り捨て。)
②2回の計測値の差が2dBを超えている場合は無効。(2回とも規制値を超えている場合は有効。)
③2回の計測値の平均を音量とする。
④暗騒音との差が3dB未満の場合は無効。
保安基準には上記のように事細かく測定方法が書かれているのですが、安価な騒音計やスマホアプリだと聴感補正や指示機構の機能が付いていないのと、自動で最大騒音値を記録する機能が付いていなかったりで、正直使いにくいです。
④この記事のまとめ
①ヤンキーホーンは問題なく車検に通る。
②警音器は、車の前方7mにおいて音量が112dB以下87dB以上の範囲内に収まっていて、音が連続かつ一定のものなら車検には合格する。
③ヤンキーホーンの音量のセルフチェックは、簡易騒音計を使って自分で可能!
いかがでしたでしょうか?
よく「ヤンキーホーンは車検には絶対通らない!」と断言している人を多く見かけますが、実はそんな事はありません。
…なぜこんな事をわざわざ調べて記事にしたかと言うと、僕が知人のデコトラの車検を依頼された際や、自分の車を車検に出す際に毎回ホーンの取り外しや復旧を行うのが正直めんどくさかったからです(笑)。
…で、このまま車検に通すことはできないものか?と調べていくうちに「これ、ひょっとしたらこのまま通るぞ!?」となった訳です(笑)