今回は前回の記事、軽トラにトラック用のサイドマーカーランプを取り付ける際の基準についての解説の続きです。
前回はYouTubeのデコトラ解説動画のコメントで回答した内容をベースにお届けしましたが、今回はもう少し詳しく保安基準におけるサイドマーカーランプ(側方灯)の扱いを解説していきます!
1.サイドマーカーランプの取り付け位置と個数
サイドマーカー(側方灯)の取り付けに関しては、長さが6mを超える自動車や、長さが6m以下のけん引自動車(トラクタ側・トレーラ側共)、ポールトレーラはそれぞれ規定の箇所に側方灯または側方反射器を備える事とされています。
つまり、法律上軽トラであればマーカーを取り付ける義務は無い訳ですね。
逆に取り付けを規制する様な決まりもないので、側方灯の取り付け基準の範囲内であればマーカーランプの増設は問題ないはずです。
取り付け位置
高さ:ランプのレンズ部上縁が地面から2.1m以下、下縁が0.25m以上の範囲内。
間隔:ランプのレンズ部の間隔が3m以内になる様に取り付ける。
突出量:車体の最外縁からレンズの先端まで10mm以内であれば突き出すことが出来る。
(※レンズは車体寸法には含まれません)
取り付け個数
実はランプを取り付ける個数に関しては特に決まりがありません。
なお個数の数え方は灯室の数、つまり、単にマーカーランプの数を数えます。
2.サイドマーカーランプの発光色について
橙色、つまりオレンジ色やアンバー色のみ可。
(※ただし、17年式以前の車両や、テールランプやブレーキランプ、後部上端灯(後ろの車高灯)と一体又は兼用のものは後部のみ赤色でも可。)
以外な事に、トラックメーカーの純正でよく見かける黄色のマーカーは、側方灯という扱いではダメなんですね。
3.サイドマーカーランプの明るさについて
側方灯の性能に関する規定で、『夜間側方150mの距離から点灯を確認できること』という決まりが定められているのですが、これだと少し曖昧すぎて分かりにくいですよね?
(※以下は保安基準の検査規定に載っていた適合例です。)
側方灯の性能に適合する例
①光源が3W以上・30W以下で、照明部の大きさが10平方cm以下のもの。
②指定自動車等の側方灯と同一構造、同一位置に備えられているもの。
…要するに、トラック用のマーカーランプとして市販されているものに、適合する電球を付けたものであれば普通に性能基準を満たすという事みたいですw
LEDマーカーであれば、Eマーク認証を受けた製品は勿論適合するでしょうし、『光度の制限』の項目を見る限り300カンデラを超えていても問題無いようです。
4.サイドマーカーランプの点灯条件について
最後に、側方灯の点灯条件に関してですが、保安基準には以下のように書かれています。
①側方灯は運転者席において消灯できない構造又は、前照灯、前部霧灯、車幅灯のいずれかが点灯している場合に消灯できない構造であること。
要するにスモール連動で点灯して、点灯中に任意で消灯できない構造が必要という事ですね。
先ほど多くのトラックに純正採用されている黄色いサイドマーカーが側方灯の扱いにならないというお話をしましたが、恐らく車内にサイドマーカー専用のスイッチを設けて『その他の灯火』、要するにイルミネーションの扱いの選択灯火にしているのだと思います。
また側方灯の項目のほか『点滅又は光度が増減する灯火の備え付け禁止』の項目にはこう書かれています。
②側方灯は方向指示器、補助方向指示器又は非常点滅表示灯と兼用することが出来る。
つまり、側方灯はウインカーやハザードランプと兼用させて点滅させることも出来るんですね。意外でしょ?w
(※ただし、ウインカーポジションみたいにウインカーを出していない側は点灯していないといけませんが。)